この間の東京都議会でのヤジに続き、
今度は衆議院総務委員会でヤジがあったという。
自民党の大西英男衆院議員が、
維新の会の上西小百合衆院議員に対して
「子供を産まないとダメだ」と
言ったとか。
うんざりだ。
また中身スッカスカの男が一人。
もっとも、こんなものは氷山の一角で、
今回は都議会の一件があったから
注目されたにすぎない。
何十年も前から、社会に出た女は、
多かれ少なかれ似たような経験を
誰もが持っている。
声を荒らげて抗弁したところで、
ヒステリーが始まったと
蔑まれるだけ、という諦観。
ところでヒステリーといえば、女だと
相場が決まっているようなイメージが
あるけど、兵庫県議の号泣会見、何だありゃ?
もしあの人が女だったら、
「あんなヒステリックに・・・これだから女は」と、
スッカスカの男性陣はしたり顔で
言っていたに違いない。
議員である前に女であることが
まず取り沙汰されるだろう。
しかし今、女は、「これだから男は」と
言っているだろうか。
その違い、なんだろうな。
無意識の差別感情というのは。
私は都議会の一件があって以来、
想像力のかけらもない男性陣に
何とかしてわからせる方法は
ないだろうかと、いろいろ腹黒い考えを
巡らせてきた。
自分ではどうしようもない、
持って生まれた性によって
見下される理不尽さ、悲しさ。
蔑まれる「女」という言葉を、
単に「男」という言葉に置き換えても
説得力もリアリティもない。
男に「早く結婚しろ」などと言っても、
悲憤慷慨するほどの感情が
湧きおこるとは思えないからだ。
自分ではどうしようもない、
という一点において有効なのは、
たとえば「加齢臭」。
ホルモンがどうたらこうたらで、
女性よりも圧倒的に男性のほうが臭う。
娘に「くさッ」とか言われて
落ち込んでいる男性なら、いそうだ。
しかも、もはや体質みたいなものだから、
自分で消そうと思ってもなかなか消えない。
香水をふりかけたところで、
それはそれでクサい。
しかも臭いは、自分の実力とは
本来、関係がない。
議会で発言すると、男は周りからこう言われるのだ。
「まず自分の臭いを取ったほうがいいんじゃないのか」
「取れないのか?」
あるいは職場でも、
「これだから加齢臭のする奴は」
なんて言われたりする。
「臭いの前に、僕の実力を見てください!」
と切実に訴えるも、
「あーはいはい、それは臭いを取ってからね」
と、適当にあしらわれて終わり。
真面目な人であればあるほど、
仕事で成果を出そうと思って空回り。
あるいはサプリなどで体質改善を試みるも、
自分自身、もはや強迫観念のように
臭いが気になっていく。
またヤジを飛ばされるのではないかと思うと
つい委縮して発言さえできなくなってしまう・・・。
するとますます周りから言われる。
「これだから臭う奴はダメなんだ」
へ・・・へへへ・・・
腹黒妄想がどんどん膨らんでいってしまう。
今まさに加齢臭で悩んでいるおじ様方、
これから自分もクサくなるかもしれないと
恐怖におののいているお兄様方、
いかがでしょう。
これなら女の抱える理不尽さが、少しは
わかっていただけるのではないでしょうか。
どうかな。
ダメかな?
今まさに加齢臭で悩んでいる方、
他意はありませんので。念のため。